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もうすぐ40代男子がAfterコロナで楽しく生きていけるようにブログ始めました。

価格と利益(化粧品の例)

化粧品は儲からないのでしょうか?
 資生堂等の化粧品メーカーは新型コロナの影響を受けて厳しい業績です。事業再編、コスト削減を進めてAfterコロナに向けて進むしかありません。で、そもそも化粧品は儲からないのでしょうか?
 

∞∞∞∞∞∞∞【目次】∞∞∞∞∞∞∞

 1.売上を分解

 2.某化粧品メーカーの粗利84%

 3.某化粧品メーカーの販管費70%

 4.儲かるのか儲からないのか

 5.ぼったくりなのでしょうか

 6.Afterコロナ

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1.売上を分解

B/Sから売上を分解してみました。

 売上=原価+粗利(売上総利益

 売上=原価+販管費+営業利益

  販管費=人件費・販促費・広告宣伝費など

 

2.某化粧品メーカーの粗利84%

  化粧品メーカーの決算データから利益(下グラフ参照↓)を見てみました。

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 この例ですと、1個3,000円する化粧品なら、原価は480円(!)のようです。原価には原材料ならお肌に良さそうな成分、キレイに発色する成分、カタカナ名の効果がありそうな成分、工場等の生産設備にかかる費用、その人件費、OEMなら仕入の金額、等です。自社生産でもOEMであっても原材料は非常に安くなっています。1個販売できると420円の利益です。2,100円は販売およびそれに関連する費用(販管費)です。

 

3.某化粧品メーカの販管費は70%

その販管費の内訳(↓)です。

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 3,000円の商品の販管費は2,100円で、うち1,100円が販売費費用(広告等)、300円が人件費です。効果がありそうな印象や高級なイメージ、オシャレなイメージを消費者にもってもらうためには、販売費が重要になってきます。テレビCMやキャンペーン等のPR活動が売上を左右しますので占める割合が高いのです。粗利から販管費を引いた残りが営業利益ですから、販売費を減らせば利益は出ますが、販売費を減らせば売上も減る可能性があります。ブランドイメージや消費者の支持を維持するためにも費用をかける必要があります。人件費もかかりますが、特に高い業界でもありません。(華やかなお仕事は実はそれほど給料を貰っていない一例ですね)。
 
4.儲かるのか儲からないのか 
売上が増えれば利益を上げやすい事業ですので、Afterコロナで今までと同じ生活に戻れば業績は回復できると思いますが、行動様式が変化し優先順位が下がれば厳しい状況が続くと思われます。想定より業績が回復している企業はありますが、業績予想を慎重に見ていたことが要因なら根本的な回復とは言えません。基礎化粧品やヘルスケア商品が好調な企業もありますので、変化に応じた事業展開ができるかどうかが成長を左右すると言えます。 
 
5.ぼったくりなのでしょうか
 お値段が高いほど効果がありそうなイメージですが、価格差ほどの効果はないのかもしれません。化粧品も健康食品もサプリメントも価格差以上に原材料の差はありません。では、高価格の商品はぼったくりなのでしょうか。個人的にはプラセボ効果を含めて考えれば、価格差には意味があると思っています。100円ショップの化粧品では得られない何かが百貨店で買った化粧品にはあるとおもわれます。原材料が安いからぼったくり、儲けすぎだ、とはならないのです。支払った金額に見合う満足度があればいい訳です。これを否定したら、資本主義経済の成長はなくなります。価格だけで判断するのではなく、それで得られる満足度も含めて考えることが大切です。気分的なことも含めたコストパフォーマンスですね。
 
6.Afterコロナ
外出が抑制される状況が続くと、お出掛け関連消費は厳しい状況が続きます。厳しい時に事業の見直し、コスト削減を進めつつブランド力の強化ができるかがAfterコロナでの成否を分けると思います。ブランド力を高めれば売上回復とともに利益が伸びてきます。化粧品業界がまた華やかな業界に戻るのを期待します。

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