プライベートとコーポレートガバナンス
ある上場企業の代表取締役が辞任されました。
理由について良い悪いはどうでもよいのですが、上場企業であるため役員である方は「影響」について考えないといけないと思います。
今回の件は(法的には)代表を辞任しなければいけないことではないし、当事者で解決すればよい問題だと思います。しかし、立場(役職・組織)が与える影響を考えると(十分かどうかは別にして)責任の取り方の一つではないでしょうか。年々コーポレート・ガバナンス(企業統治)は重要になっており、とくに上場企業は市場に対して厳しく求められています。「プライベートで問題があったから良くない」のではなく、「プライベートで問題を起こす可能性のある人物が経営陣にいた」ことが問題です。穿った見方をすれば、「会社内では誰も知らなかったのか？」「知っていたらだれか注意する人はいなかったのか？」「この方には何も言えないような関係、組織だったのか？」、そもそもこの方自身が「バレないと思っていたのか？」「週刊誌に取り上げられる立場だと思っていなかったのか？」「これだけ世間の目が厳しいのにバレたら大変だと考えなかったのか？」ということだと思います。組織とご自身の判断力(想像力)に問題があったのではないかということを考えてしまいます。
こうなると、次は「取引先含めたステークホルダーへの説明はどうするのか？」「この方が辞任して業績に影響はあるのか？」さらに言えば「事業の成長性、継続性に影響はないのか？」ということにまで至ります。
12月決算のため今月中旬には決算発表があり、そこで何らかの説明があるかもしれません。コーポレートガバナンスは周囲の環境ではなく当事者の意識が重要ですので、より透明性のある形、投資家に対してしっかりした説明をしていただきたいと思います。
2020年12月期第3四半期(3Q)時点では、業績見通しは達成できそうな感じです。売上目標はCAGR(年平均成長率)30%にしており、コロナや市場規模、制度改革から考えると十分可能性あると思います。上場して約1年ちょっとの企業ですが、今後の医療制度を大きく変化させられる企業だと思います。上場時に掲げた理念やストーリーを実現できることを期待しています。
上記データは「Ullet」から引用しています。
余談ですが・・・
未行使のストックオプション(発行済の1.03%)を放棄するとの発表もありましたが、現時点での保有株数や株価水準から考えれば、ここから株価上昇のために取締役として尽力していけば十分取り戻せるでしょう。さすがに明日は下がります・・・。(2021/2/3終値5,060円)
こういう問題は「誰が」したのかで世間やマスコミの受け止め方が全然違いますよね。
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